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東海道新幹線内のWi-Fi環境はひどい

Posted on 2011/07/20 | コメントはまだありません

先日、仕事の所用で東海道新幹線に乗りました。

ふとWiMAXの電波が切れたので、復活するまでの暇つぶしで何気なく「Wi-Fi Analyzer」を起動してみました。


すると…


Wi-Fi Analyzerモニター結果

Wi-Fi Analyzerモニター結果。出るわ出るわ電波の嵐。




横軸は2.4GHz帯におけるチャンネル数(20MHz幅)、縦軸は電波強度です。


さすがにビックリしました。
2.4GHz帯がこんなことになっていようとは!

いくつか興味深い点が見えてきますので、それをまとめてみます。


◆公衆無線LANはちゃんとチャンネル分けしてある


図の横軸、チャンネル数の分布でみると、SSIDが集中しているチャンネルがありますね。
1ch、6ch、11ch。


Wi-Fiにおけるチャンネルは1上がると5MHz増えます。


で、1チャンネルは基準周波数を中心に+-10MHzずつ、計20MHzを使います。

1ch、6ch、11chに分けると、間隔が5ch分ずつ空きます。つまり、こうするとお互いの電波干渉がなくなるわけですね。ちゃんと考えられてる(当たり前ですが…)。


1,6,11のうちどのチャンネルにつなぐかは、おそらくクライアントソフトが「一番空いてるところはどこぞな?」を検知して振り分けてくれるのでしょう。



◆公衆無線LAN分は、おそらく1アクセスポイントのマルチSSIDを使っている


1,6,11の各チャンネルに、いくつかのSSIDが重なって表示されていますね。
目視で見る限り

  • docomo(たぶんドコモのMzoneでしょう)
  • NTT-SPOT(たぶんNTT東西のフレッツスポットでしょう)
  • 0033(たぶんNTTコミュニケーションズのHOTSPOTでしょう)
  • mobilepoint(たぶんソフトバンクモバイルのBBモバイルポイントでしょう)
  • UQ_Wi-Fi(たぶんUQコミュニケーションズのUQ Wi-Fiでしょう)

あたりが伺えます。


新幹線車内に、これらのサービスごとのアクセスポイントを置くなんて非効率なことはしないでしょうから、ひとつのアクセスポイントでマルチSSIDに対応させているのだと思われます。
(でないと混信しまくりで、全く使い物にならないはず)


ひとつのアクセスポイントが複数のSSIDをコントロールできれば、時間分割多重(TDD)や直交周波数分割多重(OFDM)である程度の混信回避というか、効率化が可能になります。


…とはいえ、さすがにここまで多重化しているとひとつのSSIDあたりの効率はガタ落ちでしょうね…。ましてや、接続するクライアント(PCとかスマートフォンとか)が多ければ多いほど取り合いになるわけですから、ユーザーが増えたら使い物にならないのではないかと思われます。


◆Wi-Fi環境はユーザーが増えると使い物にならない


そもそも無線通信は、けっこう乱暴なことをやっています。

例えば、あるアクセスポイントに紐づくWi-Fi端末がAとBの2台あったとし、同じチャンネルを利用しているとします。

この2台が同時に電波を発信すると、当然ながら混信し、正常な通信になりません。
アクセスポイント側は、不正なデータを受信することでその処理を放棄します。

ところが端末AやBは、この混信を検知出来ません。
全二重有線通信なら、アクセスポイント(有線の場合はスイッチですね)がそれぞれの端末の受信用回路宛に「ぶつかっちゃったからもう一回送って」と言える(これをCollision Detectionと言います)のですが、無線でこれをやるとまた混信の元。

よって、これを回避するために「電波発信の前に、ランダムな時間『待つ』」という対応を取ります。
これをCollision Avoidanceといいます。


このAvoidanceのための時間が、どうしても全体としてのスループットを落とします。
また、Avoidanceの結果また混信が起こると結果的に通信が失敗し、もう一度送りなおす…というオーバーヘッドが発生してしまいます。


これが、Wi-Fiの送受信のスピードが上がらない理由の一つです。

また802.11nなどの高速無線LANも、アクセスポイント1つ・端末1つという「理想的な」環境でスピードで測られることが多く、ユーザーの感覚に合わないことが多いのもこうした理由からだと思います。


※なお、無線電話回線(3G/LTEなど)が上記の理論通りかどうかは私は存じません。あくまでWi-Fi(802.11系)のお話です。



こうした背景を踏まえてWi-Fi Analyzerの図をみると…もはや私のWiMAXルーターのWi-Fiチャンネルなど、埋もれてしまって見えません。


このような環境ではWi-Fiルーターは不利ですね。ダイレクトに3GやWiMAXにアクセスできるPC/スマートフォンのほうが圧倒的に有利です。


…まぁ、東海道新幹線の中が異常なだけかも知れませんがね…。


こんなところも、公衆無線LANが普及しない足枷なのかも?と思った次第です。

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